防災の役割と背景③ 備蓄に対する課題

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公助には限界があるとはいえ、今のままでいいとは思えません。

公助の一部である避難所への備蓄だけでも課題でいっぱいです。

自治体では避難所に何をどの程度備蓄しているか情報を出しています。
備蓄はどの程度の人数を想定しているのでしょうか?

自治体での備蓄の現状

ある自治体では人口の2%の人数に対し3食分を備蓄していました。 別の自治体では5%でした。

全国平均としては一番備えている乾パンで人口に対し10%ほどの人数に対して備蓄しているようです。 但し、自治体によって乾パンを備蓄していないところもあれば人口の30%以上を備蓄しているところがあり、自治体によってかなり違います。

では、人口の10%を備蓄すれば足りるのでしょうか?

消防庁の調査によれば、東日本大震災では避難者数の変動が宮城県で震災3 日後がピークであり人口の約13.7%、震災後週間の累計が人口の約95%。 石巻市では震災3 日後に人口の約69%、2週間の累計で人口の約368%になっています。

どう考えても10%で足りるわけがありません。

備蓄の量は最低限であり、後は調達することを前提としている自治体もありますが、大規模災害では、流通がストップすることは東日本大震災を振り返っても十分あり得ることですし、調達先となる業者がお弁当などの食事や食品を用意できる状態なのかもわかりません。 他からの調達ではそういったリスクもあることを考えれば、なおさら今の備蓄量が不足しています。

また、過去の災害においてライフラインの復旧にも時間がかかっています。

仮に自宅が無事だとしても、防災用に備蓄してある食品はそう多くありません。 流通がストップしていては食品を新たに得ることもできませんし、ライフラインが復旧するまでは調理が必要な食品を食べることはできず、家庭内にある食料で長期間過ごすことはできません。

同じく地域での自主防災として食品を備蓄してあったとしても数日分しかないでしょう。

これらのことを考えると、自助にも共助にも限界があります。

自助・共助・公助の3つがそれぞれ機能することはものすごく大事です。
しかし、国や自治体があまりにも公助より自助・共助が大事ですというと、公助にはではできることに限りがあるから、後は自助、共助でよろしくといって逃げ腰になっているように感じてしまうのは私だけでしょうか?
もしかしたら私がひねくれた見方をしているのかもしれません。

解釈はどうであれ、自助・共助・公助とそれぞれが必要であることには間違いありません。しかし、それぞれに限界があります。とはいえ、今が限界とは思えません。それぞれが最大限の努力はするべきです。

一番早い自分自身での備え

公助としての最大限の対応を望むとしても、すぐにできることばかりではありません。
特に人口の多い自治体では各避難所にたったひとつのもを増やすだけでも予算の関係もあり大変です。

また、公的機関は大学などの研究や調査結果などを踏まえて検討を重ね、見直しをしていくので何をするにも時間がかかります。

一番早い対応は自助である自分自身での備えです。

まずは自助としてできることはする必要があります。
むやみやたらに防災グッズや非常食を揃えるのではなく、地域の自主防災、近くの避難所の状況を知った上で、もしもの場合をイメージし、自分が平時からどこまで備えることができるか考えて備えるのが大切です。

災害はいつ起きるかわかりません。

  • 夜中に災害が起きたら?
  • 通勤途中で起きたら?
  • 仕事中で起きたら?
  • お買い物中で起きたら?
  • 旅行中に起きたら?
  • 車の運転中に起きたら?
  • 電車での移動中に起きたら?
  • 子供が一人で留守番中に起きたら?
  • お風呂に入っているときに起きたら?

考えればいくつでもあります。
海水浴に行っている時に起きたらとかイベントごとのシチュエーションもありえますね。
防災用品を買えば済むことではなく、生き残るために、まずはどう行動するかが大事になります。
その為に、①もしもの際にはどこがどういう防災体制になっているのかまずは事前に知っておくこと、②事前にイメージしておくことで、落ち着いて状況にあわせた避難をすること③避難先で必ずしも備蓄が足りるわけではないので、状況に合わせて普段から自分で避難に必要なものを揃えておくことなどが大事です。

どのような備えも無理をしては続きません。
よくイメージし、平時からできる方法を工夫することが大事です。

(具体的な準備については別記事に続きます)

(参考:科学技術政策研究所の科学技術動向No.128(2012年 3・4月号)レポート「常食から被災生活を支える災害食へ 」

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