実際に歩いてみたら

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昼間に大地震が来た場合、本当に歩いて家に帰れるのか?

そんな疑問がふと湧き上がり、自宅―勤務先の間を一度歩いてみることにしました。

勤務先と自宅の間はマップで計測するとおよそ7.5Km。

徒歩での予測所要時間は1時間半。

普段、運動不足な私にも歩けなくはない距離です。

6月○日 晴れの10時頃 いつもより軽装。(※中部地区)

本来なら勤務先から自宅まで歩くべきなんですが、事情により自宅から勤務先までというルートでスタート!

寒がりの私には暑すぎず寒すぎず、歩くにはちょうどよく、気持ちよく歩き始めました。

しかし、そうは言っても6月の気候。

30分と歩かないうちに暑くなってきました。

喉乾いた・・・水分ほしい~・・・

そういえば、歩くとしたわりには何も考えておらず、水分の用意などしていませんでした。

コンビニどこかな。

コンビニなんてどこにでもあるだろうと思っていたのですが、思いのほかなく、たまにあっても道の反対側 。

渡ろうにも近くに横断歩道はないし、交通量も多い。

普段があまりにも運動不足で体力がなく、予定時間よりもかなり遅れぎみ。

時間がたつにつれて日もさらに高くなり気温も上昇。

ジリジリとした夏の日差しになってきました。

せめて自販機・・・

喉の渇きを我慢しながら歩いていても、もう限界。汗はだらだら、喉はカラカラ、足はズキズキ。

もうだめ!と思ったころに1台の自販機発見!!

たすかった~!死ぬかと思った・・・

もう中止しようかと思いました。

お水やお茶がなく、ジュースしかありませんでしたが、もう、水分ならなんでもOK!熱中症で倒れるかと思う不安から解放され、しかもやっと座れる安心感。

助かった~。もうそれしか言葉が浮かびませんでした。

しばらくそこに座り込み、携帯で仕事の連絡などしながら長時間休憩。

動きたくても動けないんです。疲れてしまって。

いつまでも休憩していてはゴールにたどり着けないので、今度はジュースのペットボトルを手に再度歩き始めました。

途中かなり大きな交差点があり、近くに高速の出入り口もあることから交通量が多い道です。

震災直後だったらどうなっているんだろう?

そんなことをふと思いました。

東日本大震災でも交通の混乱はあまりなかったようですが、それが常にそうである保障などありません。

最初は落ち着いていても、ちょっとした事故など何がきっかけで混乱するかわかりません。

その場合、車は便利は移動手段ではなく凶器と化します。

交差点角にあるビルは本当に大丈夫なのか?

古そうなビルが倒壊した場合、混乱を招く引き金にならないだろうか?

移動をしている人たちであふれている交差点で車が歩行者に突っ込んでしまったら・・・。

自分で想像してぞっとしました。

そんなことがないよう願いながら脳内の妄想を打ち消しました。

その場の全員ではなく、たった一台の車が混乱して暴走したらそれだけで大きな混乱を招いてしまいます。余震の頻度、余震による被害、地震の揺れ方でも違うでしょう。

みなが落ち着いて行動することがとても大事なんだと。

交差点で信号待ちをしながら思いました。

お腹がすいた。

交差点を過ぎてからは、あともう少しという心理がはたらいたせいか順調に歩けました。

時間がかなり押して12時を過ぎてしまったので、お腹がすいてるし、疲れたし、途中どこかのお店に入ってしまおうかといういう誘惑を一生懸命払いながらひたすら歩きました。

トイレに行きたい!

出発して時間もたっているし、水分もとったせいかトイレに行きたい!

事務所近くなってきてお店は多いのですがコンビニなどは見える範囲にはない。

少し道をはずれればあるのかな?でもどこにあるのかわからない。

これは困りました。

お昼ご飯食べにお店に入ってトイレに行こうか、それじゃ歩けたことにならない。

どこかトイレがある公園とかないかな。公園そのものが少ないし、確か近くの公園は小さくてトイレなどなかったはず。

結局、もう少しでゴールの為、がまんして歩きました。

やっとついた~!!

スタートしてからおよそ2時間半。

やっと勤務先に到着。

へとへとでしたが、ここで休んでしまうと動けなくなってしまうので、荷物だけおいて、お昼を買いに近くのお店へ。

お腹がすいていたはずですが、いざとなるとあまりたくさんはいらなくて、軽いものを買い事務所にもどって食べました。

あ~幸せ♪

食べれるって幸せ。冷たい飲み物を好きなだけ飲めるのが幸せ。座れるって幸せ。普通にトイレにいける。しかもきれいなトイレに行けるって幸せ。

たかが7.5Km。

「何を大げさな」「だらしないなあ」など思われることでしょう。

なんと思われようとへとへとになり、到着した私にはもう日常のすべてが幸せでした。

歩いてみての感想ですが、防災や交通などの帰宅困難者に関する論文などでは徒歩での帰宅可能距離として例えば20Kmなど数値で書かれています。

確かにおおよその数値は出せるとは思いますが、季節や天候、服装、道路状況などなど様々な要因で変化します。

まずは位置関係。

私は方向音痴の為、道がわかるのかと思いましたが、事前に調べたところ、たまたまほぼストレートに行ける単純なルートでした。

自宅や勤務先周辺まで大きい道沿いに一本で行けたので、地図は持たず歩けました。

勤務先から自宅までのルートがわかるのか?

地図は持っているか?

ネットワークが通じなくて、携帯のMAPが使えなくてもわかるのか?

目印になるようなものがなくなった場合でもわかるのか?

知っている道が使えなかった場合でも他のルートで帰れるのか?わかるのか?

季節や天候的要因としては

夏の日差しが厳しい中、自宅まで帰れるのか?

冬の雪の日に自宅まで帰れるのか?

雨が激しい中、交通量が多い中安全に歩けるのか?

移動を考えた水分があらかじめ確保できるのか?

他、どれだけの人が一度に帰り始めるのか?

通常なら1時間で帰れる距離でも何倍かの時間を要するはずです。

女性はヒールの場合が多いですが、ヒールでどこまであるけるのか?

窓が割れ、ガラスの破片などが散らばった道。

高いヒールなどでは滑ったりして転びやすいかもしれません。

手足をついてけがをするかもしれません。

こういう状況下でけがをしても病院までたどりつくのも大変ですし、少々のけがでは重傷者優先の為見てもらえないかもしれません。

けがをするだけ損なのです。

ヒールを折りましょうという話もあります。

ヒールを折ったことがないので、どうやって折れるのか?

手で折れる?

折ったらかえって歩きにくくないの?

など素朴な疑問もわいてきます。

男性も皮靴とスニーカーでは歩ける距離が違うでしょう。

男女ともスーツの場合、カジュアルな服装の場合。

ましてや長距離移動を考えた服装ではないので、防寒や暑さ対策ができた服装でもない。

思ったより移動しきれなかった場合どうしよう。

途中に避難所があるかどうかわかるんだろうか?

途中にトイレが使えそうなところはあるのだろうか?

事前に調べておかなくちゃわからないですよね。

たった1回自宅と勤務先をあるいただけ。

しかし、そこから見える課題がいっぱいありました。

具体的なイメージができていないとわからないことがいっぱいですね。

これはあくまでも私の場合。

勤務先がもっと遠い人、複雑な道を通る人、途中に橋があるひと、歩道がない道を通る人、ビル街をを通らなくてはならない人、山道を歩かなくてはならない人。

それぞれの状況によって見えることが違ってくることでしょう。

できることなら一度歩いてみるか、できなくても帰り道を想像してみるといいかもしれません。

by 株式会社アルヴァス 渡邊全美

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