防災の役割と背景① 避難所に行っても助からないかも!?

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避難所に行けば、保存食、水、トイレ、毛布などが用意されているイメージですよね?

しかし、避難所だからといって避難した際に必ず配給してもらえるとは限りません。

避難所には備蓄倉庫がありますが、避難しても物資が配給してもらえない可能性があるのです。

備蓄の現状

自治体で避難所を指定する際、避難してくる人の数を想定して準備します。

例えば、名古屋市の場合は避難場所1箇所につき、50人を想定しているようです。

参考:名古屋市避難所マップ解説編

はたしてこれで十分なのでしょうか?

名古屋市内の避難所になっているある中学校では一クラス30人ちょっと。

1学年で8クラスあり、3学年24クラスあります。児童一人に対し、両親のみがいるとして3人とすると、3人×30人=90人となります。この時点ですでに大幅にオーバーしています。

3学年のクラス数からみて、1/24ですでに倍近くオーバーし、実際には子供がいる家庭ばかりではありませんので、さらにオーバーします。

実際には近所に小学校もありますので、多少は分散されますが、小学校は小学校で生徒がいて、その家族がいます。 当然、小中学生のお子さんがいる家庭ばかりではありませんので、避難対象となってる地域の方はもっとたくさんいます。

災害時地域住民の全てが避難する可能性はそんなに高くありません。 とはいえ、大規模災害があることを考えると想定人数が少ないのではないでしょうか?

建築基準法が変わってから一般住宅も耐震性が増していますので、倒壊するところは少ないでしょう。

しかし、今までの地震では大丈夫だっただけで、さらに大きな地震が起きた場合はどうなるかわかりません。

倒壊は免れたとしても津波がくるかもしれません。

条件によっては大火災が起こるかもしれません。

そう考えると、3学年のうち1学年の一クラスの家庭ですら避難所に行っても食事も毛布もないかもしれません。

そもそも避難所に入れないかもしれません。

水でさえ手に入らないかもしれない

仮に避難所に入ることができても、お水すらないかもしれないのです。

先ほどの表に地下式給水栓資器材とあります。

地下式給水栓資器材とは災害で水が出なくなった場合、自分で操作する地下式給水栓です。

これが表1では小学校のみとなっています。

つまり、中学校に避難した場合、水道から水が出なかった場合は中学校では配る水はないのです。

避難所についての情報不足

名古屋市の場合はサイトの防災のページに「地域防災計画」があり、「災害応急対策計画」の中で生活必需品についてと飲料水については以下のように書いてあります。

第1 供給の基本的方針
1 食 品
(1) 食品の供与は、災害発生後すみやかに行う必要がある。したがって基本的には、①備蓄食糧の放出、②既成食品の調達、③炊き出しによる供給の順に、供給体制の確立と並行して実施する。
(2) 食品の品目例:乾パン、パン、アルファ化米、粉ミルク、缶詰、弁当等2 生活必需品
2 生活必需品
(1) 生活必需品等の供給は、被災により日用品等がき損し、ただちに生活ができない場合に行うものであり、また、災害発生の季節や二次災害の有無等、災害の時期・態様によりその対応に多様性が要求されるため、必要最小限の備蓄を除き、緊急調達による供給を基本とする。
(2) 生活必需品の品目例:毛布、下着、タオル、石鹸、トイレットペーパー、カセットコンロ、
紙おむつ、マッチ、ローソク、バケツ、食器類、懐中電灯、ビニールシート 等
3 飲料水・その他生活用水
(1) 飲料水の供給は、上下水道部による応急給水を基本とし、第3 章第23 節「ライフライン施設の応急復旧」によるものとする。
(2) その他生活用水として、災害応急用井戸やプール水等の活用を図るものとする。
※名古屋市の災害応急対策計画より抜粋

内容からわかるのは、避難所にある物資は必要最低限であり、不足分は調達するという方針であり、水道が使用できないなどのライフラインは復旧による解決以外には災害応急用井戸やプール水等で対応しますということなのでしょう。

確かに、避難所マップには災害応急用井戸の表示も出ています。

地域の避難所は知っていても、そこに何がどこまで備蓄されているのか資料をよく読んで知っている人の数は少ないでしょう。

本来は自治体が情報として出してくれているものは見ておくべきなのですが、サイトには情報があっても防災計画まで紙媒体で広報してくれるわけではありません。

一人暮らしの大学生からパソコンを使えないお年寄りまで、防災マップから防災計画まですべて目を通すべきとは言えません。

また、名古屋市の防災MAPも災害応急用井戸の表示があるのですが、あまり詳細な地図ではないため、避難所周辺にあるとしかわからず、具体的な位置が不明です。
災害応急用井戸は個人家にある井戸を使用させていただくことがほとんどですので、いざというときにもわかりやすいわけではありません。

もしもの際には誰かがしっかり広報してくれるのかどうかも分かりませんし、事前にわかっていながら避難してからの口コミに頼るのもどうかと思います。

実際には、避難所を管理している方が教えてくれるとは思いますが、できれば事前に知っておきたいものです。

ここまで名古屋市の情報を例に書きましたが、それでも、名古屋市のサイトは自治体の中でも大変親切で、私が各自治体のサイトを見た際に比較してもわかりやすく、また多くの情報を提供してくれています。

中には防災ページが1ページしかなく、ハザードMAPなどの資料のリンクが少し貼られただけのところもあります。

そうなると、もっと情報が得られにくい中で大規模災害が起きた場合、避難所に避難しても助かる可能性がさらに下がってしまいます。

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